2020.05.07
レポート

ダボス会議:
世界規模の問題を自分たちの問題に置き換える視点

2020年世界経済フォーラムの年次総会、通称ダボス会議のサイドイベント、今年初めてできたIce Villageに足を運んだ。
建物の中にはかまくらのようなドームが複数並んでおり、各ドームでは企業出展や、45分~1時間半ほどのカンファレンスが行われている。

 

ドーム内では様々な議題でディスカッションがなされている

 

私が赴いたブースで行われていた会議のテーマは、“飢餓と紛争”。恒常的な飢餓は紛争を生み、さらには難民を生む元になると語られ、SDGs17のゴールうち「2.飢餓をゼロに」と「16.平和と公正をすべての人に」に関連する内容だ。

メインスピーカー2名が会場で、そして3人目は現在難民キャンプで過ごしている難民の青年であった。
難民キャンプとビデオがつながっており、キャンプの様子を中継してくれたり、質問にリアルタイムで答えてくれたり、という普段あまり体験することのできない会議だった。

 

“飢餓と紛争”と聞くと、日本人からは少し遠い話で、何をすればいいのか?を具体的に考えにくいトピックでもあると正直感じていた。

 

しかし、「飢餓には2種類ある。食べ物が足りなくて恒常的におなかが減っている人がいる状態と、戦争や天災などが起きて突然おなかが減った人が発生する状態だ」という話を聞き、飢餓に対する見方が身近なものになった。地震や津波、台風や洪水など自然災害が頻繁に起きるわが国において、“突然おなかが減った人が発生する状態”は、毎年どこかで起こりうる。

 

アリババ(中国)は、飢餓と紛争の状況を一定の時間ごとに記録し、現在どこで何が起きていて、どれくらいのものが足りないのかを瞬時に把握するハンガーマップのシステムを構築している。

リアルタイムにどこで紛争が起き、食糧が足りないのかを示すハンガーマップ

 

こういったデータを蓄積・可視化することによって、情勢が不安定な国が存在するアフリカ内でも安定した物流やビジネスを実現し、マーケットの開拓・拡大をにらんでいるという。

 

現在、日本では有事の際、TwitterなどのSNSで「○○で物資が足りない」といったやりとりを目にすることが多いが、中には誤情報があったり、物資の偏りが発生したり、
必要な場所に必要なものが行き渡るのに時間がかかる。正確な情報を一元化し整理したデータプラットフォームは、今政府・企業にとって大きな価値があるのではないか。

 

飢餓のように一見遠いもののように感じる問題でも、いつもと違う角度から見たり、問題を分類したりすることによって、今自分たちが何をやるべきかが少し明確に見えてくる。
17あるSDGsゴールの中で、「これは少し取り組みにくいな」と思うものは、近づいてみたり、離れてみたり、少し見る角度を変えてみたりすると、ビジネスに直結するヒントが見えてくるかもしれない。

 


世界経済フォーラム年次総会(通称ダボス会議)

概要:世界中のリーダー達が集まり、世界経済や環境問題など幅広いテーマを議論する。50回目となる今回は、2020年1月21~24日にスイス、ダボスで開催された。

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